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京都俳句ツアー殺人事件のネタバレあらすじと感想(山村美紗サスペンス)

テレビ番組

2020年2月23日、山村美紗サスペンス「狩矢父娘シリーズ20作記念~京都俳句ツアー殺人事件」が放送されました。
 
 
藤谷美紀さんが主演で、「狩矢父娘」シリーズ「20周年」に記念すべき「20作目」となりました。
 
 
この記事では、山村美紗サスペンス「狩矢父娘シリーズ20作記念~京都俳句ツアー殺人事件」のネタバレあらすじと感想をお伝えいたします。

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京都俳句ツアー殺人事件のネタバレあらすじ

「唐竹企画」のカメラマン狩矢和美は、「京都縁結びツアー」という旅行に取材で参加しています。

ブライダルの会社が企画したこのツアーには、ベストカップルと称させる女優の小野茉莉絵と、映画監督の一条彰がゲスト参加しており、縁結びのパワースポット巡りや、恋の俳句レッスン、縁結び懐石を食べる、と言った催しが行われます。

参加者は他に、俳句レッスンのゲストである伏見准教授、伏見に俳句を習っている伊藤八重子、ホステスの明石小雪といった面々でした。

ツアーの途中から一条の部下である助監督の久米が混ざりました。どうやら小野が勝手に呼んだようです。久米と小野が食事の際に机の下で、こっそり手をつないでいる場面や、小雪が一条に嫌味を言っている場面に遭遇した和美は、このツアーになにやら不穏な空気を感じます。

 

神社巡りや縁結び懐石を堪能した後、恋の俳句レッスンが始まりました。

伏見の進行で、各自が作った俳句が紹介されていきます。

一句だけ奇妙な句が混ざっていました。

 

「保津峡の血に染まりたる百日紅」

 

明らかに恋の歌ではありません。参加者がざわつきます。特に一条の様子がおかしいようです。

 

そこで俳句レッスンはお開きになり、散策の時間となり各自自由行動となりました。

 

周辺を散策していた和美と夏目は、一条が崖の上で叫んでいるのを見かけます。誰かと口論になっているようですが、相手は見えません。ふいに一条が崖から転がり落ちるのを目撃します。一条は死に、その手には青いお守りが握られています。

 

刈谷警部が現場検証の指揮をとっています。死体の第一発見者が和美であることを知り

「またか・・・」

と口に出してしまいました。和美の今回の取材は、縁結びツアーということだったので、良いご縁に恵まれるものと期待してたのです。

 

 

和美と夏目は、先日のツアーを企画したブライダル会社の社長、鈴原にバーベキューに誘われました。式場を決めたカップルに、サービスで行っているものだそうです。お土産にワインまでもらいました。

 

和美は母親から、ワインの包装に使われている結び方を「叶結び」と呼ぶことを知ります。その呼び名から、伏見の研究室に飾ってあった俳句に「叶結衣」の名前があったことを思い出しました。夏目はキャバクラで働く小雪から一条の昔の恋人が叶結衣であることを聞き出していました。

 

 

八重子に叶結衣のことを聞くと知っていると言います。俳句の会で一緒になったこともあるのだとか。伏見が、叶結衣に一方的に好意を示し、付きまとっていたことも判明しました。結衣はそのことを八重子さんに相談していたようです。叶結衣さんはすでに亡くなっていました。

 

夏目の調査によると、結衣は二年前、保津峡をハイキング中に足を滑らせ転落死していた。ちょうど伏見が叶結衣にストーカーをしていたと思われる時期で、毎日のように結衣の自宅に訪れていたのだそうです。

 

結衣は女優業を営んでいて、仕事上のつながりがあった一条に守ってもらっていたようです。一条と伏見は顔見知りだったことになります。

 

 

和美と夏目は、とある撮影所で新郎、新婦のいでたちで写真撮影の被写体となっていました。鈴原からブライダルプラン向けの撮影に予定していたモデルが来られなくなったので代役をお願いされたためです。

 

撮影を終えた二人は、撮影所で久米が助手を叱り飛ばしているのを見かけます。聞くと、映画で使用する俳句の監修作業を伏見に依頼し、控室でその作業をやってもらっていたようです。しかし、控室はカギがかかっており、助手が呼んでも返事がないのだといいいます。久米の指示で、伏見に電話をかけると、控室の中から着信音が聞こえます。もしかすると部屋の中にいるのかもしれません。助手は慌てて管理人室へ合鍵を取りに行きます。

 

 

合鍵で部屋を開けると、口から血を流し伏見が死んでいました。

 

警察の現場検証で、死因は青酸性の毒物で、部屋の床に落ちていた紙コップから成分が検出されました。

 

控室の中に部屋の鍵が置いてあったこと、すべての窓が閉まっていたことから密室状態であることが分かりました。パソコンで入力された文字で「一条彰を殺したのは自分で、死を持って償います、伏見京一」と書かれた遺書も見つかりました。また、伏見は俳句が書かれた短冊を握りしめていました。

「裏を見せ、表を見せて散る紅葉」

と書いてあります。裏書きはありません。

「それは全てを明らかにして死にます言う意味と違いますか?」

捜査の状況を部屋の外から伺っていた八重子は、短冊を持って考えている狩矢警部にそう言います。

筆跡鑑定の結果、伏見自身が書いたものであることは間違いないようだ。

 

 

「死ぬ前には辞世の句を書きたい。」

「人の句を使うときは必ず短冊の裏に転記した人の名前を書く。」

和美は、生前に伏見が言っていた俳句に対するポリシーから、伏見が「裏書のない良寛の句」を握りしめ死んでいたことに強い違和感を感じました。

 

 

 

和美と夏目は八重子の店へ向かい、叶結衣が俳句を投稿していたサイトの情報を手に入れました。

結衣さんが亡くなった日も俳句の投稿がありました。午前中には、

「保津峡を一人りんりん夏休み」

ハイキングを楽しんでいるようすです。しかし死の直前には、

「追いかけて、来る男あり、夏の崖」

と投稿してあり、一緒に映っている写真には百日紅の花が映っています。

 

和美は、お見合いツアーの時の不審な句を思い出します。

「保津峡の血に染まりたる百日紅」

これは、結衣さんの死の情景を描いていたのでした。しかもそれはその場に居合わせていないとわからないこと。そういえば一条彰がこの句を聞いてひどく動揺していました。

 

伏見の自殺を疑う和美は、伏見の控室での出来事を思いだし、あることに気づきます。伏見の遺体が発見された直後と、警察が到着して捜査を開始した時で、部屋の鍵の置き方が微妙に変わっていたのです。

記者の習性で、撮影していた写真が役に立ちました。

 

鍵には部屋番号の書かれた大きな木札がついていて、鍵自体が変わっていても見た目には全く分かりません。遺体発見に居合わせた誰かが偽物のカギを置き、隙を見て本物のカギにすり替えたのです。

これで密室の状況は崩されました。このトリックを実行できるのは、死体発見時にいた人物のみです。

 

叶結衣はいろんな人物とつながりがあり、事件の全貌がつかめない和美は、結衣のSNSを再度確認することにしました。

「途切れた縁、結び見直して、鳥巣立つ」

という句が詠まれたページから、結衣が児童養護施設の出身者であることが分かりました。

 

夏目は、叶結衣がなくなった事件について知り合いの記者に話を聞きます。その記者から、結衣の捜索に加わった人物を知ることが出来ました。

和美は、施設に向かい施設長に話を聞きます。結衣と男の子が二人で映っている写真があり、結衣は青いお守りを握りしめています。

 

男の子は施設に預けられる時、母親からお守りを持たされました。そのお守りを結衣がうらやましがるので、男の子は似たお守りを作って結衣にあげた、というのです。二人は本当の兄弟のように仲が良かったそうです。

 

今日は、偶然にも叶結衣の命日でした。

「犯人は絶対にこの日、この場所に来る!」

そう確認した和美は、保津峡に向かいました。結衣が転落した場所には手向けの花を持った鈴原がいます。和美、夏目が記者や、児童養護施設の施設庁から教えてもらった人物は鈴原だったのです。

 

「保津峡の~」の俳句は、縁結びツアーで犯人をあぶりだすために、鈴原が紛れ込ませたものでした。

 

結衣の転落死からしばらくたった時、鈴原は偶然、結衣の俳句を投稿していたページで、転落死の当日に保津峡で誰かに追われていたことを知りました。本当は誰かに殺されたのではないか?そう疑い結衣の身辺を調べた鈴原は、一条彰と伏見京一の二人が、結衣に付きまとっていたことを突き止めました。

鈴原は、縁結びツアーを企画し、二人を参加させ、結衣を殺した犯人をあぶりだそうと考えたのです。

 

一条の死の直前に話していたのは鈴原でした。

結衣が持っていたお守りを手に鈴原は一条に問いただします。保津峡で結衣に逢っていたのは一条でした。

「もうつきまとわないで!」

そう結衣に言われた一条は激高し、結衣を崖から突き落としてしまったのです。

 

話を聞いた鈴原は怒りに身を任せ、崖から一条を突き落としました。

後日鈴原はそのことで伏見から脅されます。伏見は鈴原が一条を突き落とすところを撮影していたのです。伏見は結衣のことを調べるのは辞めろと言います。

鈴原は、伏見が結衣にストーカー行為をしていたことを非難しますが、

「お兄ちゃん?あんたも結衣のストーカーだったんじゃないのか?」

と逆に伏見にののしられました。

鈴原は、結衣との思い出を汚されたと思い、撮影所の控室で伏見を毒殺してしまいました。

カギのトリックについて聞くと、鈴原はやっていないという

「まぁそんなことはどうでもいい、最後に全部言ってすっきりしました。」

そういうと渓谷の奥へと進んでいきます。鈴原はこのあと死ぬつもりのようです。

夏目が現れ、鈴原を倒し身動きさせません。

「死なせてくれ!」

そう叫ぶ鈴原、

「死んだらあかん!!」

八重子が現れそう叫びます。夏目が連れてきたのです。

 

何故に自分にそこまで気をかけるのか、八重子の行動が鈴原には理解できません。その直後、刑事が現れ、鈴原は取り押さえられました。

一条が握りしめていたお守りから結衣の血痕か検出されており、警察もそこから真相へたどり着いていたのです。

 

八重子は撮影所に頻繁に出前を届けていることから、鍵の管理を任されることがあったのだそう。鍵の偽装は八重子によるものでした。

 

鈴原が伏見を毒殺した後、辞世の句を書き、遺書を打ち込み、鍵をすり替え、密室トリックを作り上げたのです。八重子は鈴原が、伏見に脅される場面を目撃していたのです。

 

八重子は芸者時代、やむにやまれぬ理由で、子供を児童養護施設へ預けました。八重子は鈴原の母親だったのです。俳句の会で結衣と知り合った八重子は、結衣が持つお守りが鈴原に持たせたものと同じであることに気づきます。そして我が子、鈴原の居場所を知ることが出来たのでした。

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京都俳句ツアー殺人事件の感想

狩矢シリーズも今作で20作目だそうです。今回も和美が死体の第一発見者だったわけですが、お父さんである刈谷警部も心配でしょうね。嫁入り前の娘が毎回死体を見つけるとかwww

 

山村美紗シリーズのスタメン山村紅葉さんが今作も登場し、面白いおばちゃん役を熱演されていました。また、所々で出演者が俳句で答えるシーンがあり、全体的にコメディタッチで作られている印象です。

描写やトリックにやや不満ではありましたが、ゆるーく見れるサスペンスでした。

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