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パラサイト半地下の家族のラスト結末ネタバレ|あらすじと感想も

洋画

2019年12月27日に公開された「パラサイト半地下の家族」
 
 
「パラサイト半地下の家族」は、『母なる証明』などのポン・ジュノが監督を務め、第72回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した人間ドラマ。
 
 
この記事では、「パラサイト半地下の家族」のネタバレあらすじと結末、感想について、お伝えいたします。

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パラサイト半地下の家族のネタバレあらすじ


韓国の半地下で暮らす貧しい一家、キム家は全員失業中でした。

その家は電波も弱ければ、町に撒いた消毒剤が家の中に入り込んできます。

そんなソウルの底辺一家の一員、長男のギウは勉強ができました。しかし、韓国の大学は勉強ができるだけでは合格が難しく、学歴はありません。

ギウはある日、友人のミニョクから「留学中、大富豪の娘の家庭教師を代わってくれないか」と頼まれます。

学歴を偽ったギウは、強いまなざしと強い言葉で娘のダへと若妻ヨンギョの信頼を勝ち取ることに成功します。

中々親の言うことを聞かず、落ち着きのない息子のダソンを見て、ギウはある計画が閃くのです。そして、自らの妹ギジョンを美術家庭教師として紹介します。

そうして次々と、家庭教師や運転手、家政婦など、失業中だったキム家は瞬く間に大富豪のパク一家を乗っ取り、まさしく寄生していきます。

息子ダソンの誕生日だからとパク一家がピクニックで出かける日、キム家は豪遊の限りを尽くしていました。酒を飲み、庭で遊び、金持ちは馬鹿だと嗤いながらも、父ギテクは自分の臭いが気になっている様子でした。

そんな時、不吉なインターホンが鳴ります。テレビドアホンに写っていたのは、母チュンスクが家政婦をするために追い出した元家政婦のムングァンでした。

どうやら忘れ物を取りに来たらしいチュンスクが向かったのは、豪邸の地下でした。地下にはパク一家も知らない、北の爆撃に備えて作られたシェルターがあり、そこには彼女の夫が潜んでいたのでした。

そこでチュンソクとその夫にキム家の偽りがバレ、写真まで撮られてしまい、彼女たちに脅されてしまいます。

争った末、なんとか事なきを得たキム家だったのですが、そこにまたもや困難が訪れます。

あまりの大雨でピクニックは中止になったので、すぐに帰るとのパク家からの連絡が、家政婦のチュンスクに入ったのでした。大混乱の中、豪遊や争いの痕跡を消すことに成功したキム家でしたが、その時に地下に蹴り落したムングァンは壁に頭を打ち、脳震盪になってしまいます。

死が近いと嘆くムングァンに涙する夫は、復讐心を地下に充満させるのでした。

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パラサイト半地下の家族のラスト結末ネタバレ


ピクニックの代わりに行われた誕生日パーティに招かれたキム家の前に、ナイフを持ったムングァンの夫が現れ、キム一家を襲来します。

娘のギジョンが刺されても、富豪一家のIT社長は自分の家族のことしか気にかけません。

実行犯の臭いを、まるで糞尿でも扱うかのごとく嫌う姿に、運転手をしていたギテクは我慢の限界でした。

ついにギテクは、ムングァンの夫のナイフを手に取り、貧困層を見下すIT社長を刺します。

そして事件は世間を賑わし、警察から逃げるよう、ギテクはかつてムングァンの夫が生活をしていた地下シェルターに逃げ込むのでした。

なんとか一命をとりとめたギウは、いつか自分が金持ちになって父を救うことを夢見ます。叶わぬ夢を。

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パラサイト半地下の家族の感想


劇場で鑑賞後、調査員のような人に「点数を」と問われた私は思わず、「120点です」と答えたのですが「120点はないので100点にしておきます」と、軽くあしらわれてしまいました。

つまりめちゃくちゃ面白かったわけです。

テーマやセットや役者の演技、そして比喩表現、どれを取っても最高の一本でした。

序盤はコミカルな寄生物語で、痛快に笑えます。しかし後半は打って変わって、もはやホラー映画なんじゃないかと思ってしまうほどの殺伐とした展開が待っており、娯楽映画としても非常に楽しめました。

そしてなんといっても、今や恋愛・結婚・出産を放棄する「三放世代」と呼ばれる韓国の貧困事情が、苦しいほど伝わりました。

その代表的な比喩表現として、富裕層の友人ミニョクから「石」を貰うシーンがあります。生活するだけで大変な貧困層とは違って、娯楽の余裕があるから石集めなんてできるんだなと気づいた父ギテクの「象徴的だな」というセリフも印象的です。

その他にも、恋に現を抜かすダへやインディアンに興味深々な息子、子ども達もまた、暇な富裕層を象徴的に表していますね。それと同時に、石に固執し、恋心に身を委ねるギウの「富裕層への憧れ」もよく描かれています。

中でも私がグッと来たのは、大雨で半地下の家がめちゃくちゃになってしまうシーンです。

しばしば映画における雨は「全てを洗い流してくれるモノ」の象徴として描かれることが多いですが、そんな雨でも洗い流せない臭い、そして富裕層が洗い流しているつもりの汚れの終着点が半地下の家にたどり着くとするシーンに、胸がひどく痛みました。

「計画は失敗する」と、夢を持つことすら諦める父もまた、今の韓国の貧富の差をよく描けていますね。

現在シンクロニシティ的に増え続ける「貧富の差」をテーマにした作品の中でも、最もエンタメ性が高く、笑えるんだけど笑えない、そんな作品でした。
 
 
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