世界中を飛び回る才色兼備な国務長官。持って生まれた美しさだけじゃなくて、ファッションセンスも抜群で、ため息の出る美しさです。
女性初の大統領を目指すスーパーウーマンです。
恋をしている暇なんてないけど、恋だってしたい。
”最重要機密の恋”のお相手は?
ロングショットのネタバレあらすじ
才能はあるが型破り、いつも少々やり過ぎのジャーナリスト、フレッド(セス・ローゲン)は、白人至上主義組織に潜入取材中、勢いでハーケンクロイツのタトゥーまで入れる羽目に。
しかしジャーナリスト(それにユダヤ人)である素性がばれて大ピンチ。窓から飛び降り、命からがら逃げました。
チェンバー大統領(ボブ・オデンカーク)の右腕にして、いまや世界で最も影響力のある女性のひとり、国務長官のシャーロット(シャーリーズ・セロン)は、大領領から「次は君を推薦する」と言われます。夢に大きく一歩近づきました。
フレッドは勤務していた地元紙がメディア王パーカー・ウェンブリー(アンディ・サーキス)に買収されたことに腹を立て、自分から辞めてしまいました。
親友のランス(オシェア・ジャクソン・Jr)に励まされ、”ボーイズⅡメン(本人登場)”の出演するパーティに出かけます。
会場でフレッドとシャーロットが出会います。
実はこの二人は幼いころ近所に住んでいて、16歳のシャーロットが13歳のフレッドのシッターをしていました。その時から美しく聡明なシャーロットは、フレッドの手の届かない初恋の人でした。
有力者が集まるこのパーティで、ウェンブリーがシャーロットにしつこく話しかけている様子が不快で、フレッドはつい感情的になり暴言を吐いた挙句、階段から豪快に転がり落ちました。
このインパクト大の印象のおかげで、大統領選に出馬するためにスピーチライターを探していたシャーロット(あと足りないものはユーモアでした)は、フレッドの文才とユーモアを起用することにしました。
フレッドは、今も変わらずに世界の環境問題に熱心に取り組む、憧れの彼女の”環境再生案”に共感し、各国歴訪に同行します。スタッフのマギー(ジューン・ダイアン・ラファエル)とトム(ラヴィ・パテル)はかなり不安です。
ストックホルムの環境サミットでのスピーチは、フレッドのおかげで聴衆の心を揺さぶるものになりました(書き直しを拒み、シャーロットに怒られる一幕もありました)。
より良い原稿を書くために「今の君を知りたい」とフレッド。二人の距離は近づいていきます。
マニラでは反政府軍の攻撃に巻き込まれ、二人そろって命の危険にさらされました。一緒に恐怖体験をしたその夜、ふたりは一気にロマンティックな関係に。
怖くなるくらいに幸せなフレッドですが、長続きするはずはないと不安でもあります。ランスだけが、自信を持てと応援してくれます。
カナダの(イケメン)ジェームズ・スチュワート首相(アレクサンダー・スカルスガルド)とかねてから噂のあったシャーロット。「付き合っていないわ」と言われても今までは心配でしたが、平静を保てるようになってきました(それよりベッドでのリクエストの方が動揺します)。
目標にしていた、世界環境再生案への100カ国の指示を無事に取り付けて帰国したシャーロットに、大統領から横やりが入ります(無能な大統領を裏で操っているのはウェンブリーでした)。
支持率も上がり、追い風が吹いていると思っていた矢先のことで、気分転換するためにドラッグでぶっ飛びたいとフレッドと出かけます。
そんなご機嫌の最中に、空軍のパイロットが他国で人質に取られるという緊急事態が発生します。
シャーロットが交渉の席につくも、ハイ状態であるがゆえに本音も本音、それがかえって功を奏します(大統領をボロカスです)。
世界環境再生案を自らの利権のために修正させたいウェンブリーは、今度はフレッドをネタに脅迫してきます。大統領の指示を失うわけにもいきません。フレッドとのことはいったん棚上げにしたいとスタッフも願っています。
前途多難なふたりの恋はどこへ向かうのか。
ロングショットのラスト結末
ウェンブリーに握られているフレッドの(下ネタ)動画を公表してしまうという手もあります。二人の関係を公にしてしまうのです。
でもいま最も大事なことは、大統領選です。
もう少し品行方正なフレッドに生まれ変わる必要もありますが、フレッドはそれを拒みました(その後ランスのアドバイスを受け、電話で撤回し謝ります)。
シャーロットは出馬表明の記者会見で、脅されていたことも含めすべてを話しました。
ウェンブリーは怒ってフレッドの動画をすぐさまアップしました。
シャーロットとフレッドは揃ってメディアの前に現れ、その正直さを祝福されます。
その後、シャーロットは大統領選に勝利しました。フレッドは”ファースト・ジェントルマン”としてサポートしていくことを誓うのでした。
ロングショットの感想
順風満帆に見える裏ですり減らしてきたものがあるはずで、若き日の自分に問いかけたとき必ずしも誇れる自分ではないかもしれなくて。
立ったまま熟睡する方法を身につけるほど忙しい毎日の中で、フレッドの存在はぬくもりを感じることができたんだろうなと思います。
場違いな服装に上品ではないジョークの連発、恥ずかしいことばっかりしちゃう彼氏です。それでも腹をくくってオープンにした勇気。
単なるシンデレラストーリーではなくて、貫くこと、自分にも他人にも嘘をつかないことによって、何ひとつ諦めずにつかみ取った勝利のお話でした。
ヨーロッパの王妃を参考にしたというクラシカルモダンなファッションが、似合うこと似合うこと。シャーリーズ・セロンだからですね。この役は、私がイメージするシャーリーズ・セロンに今までで一番近いものでした。